働きながら宅建取得は可能?大学職員のぼくが感じたリアル

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働きながら宅建取得は可能?大学職員のぼくが感じたリアル

「宅建って、働きながらでも取れるんですか?」

正直に答えます。取れます。でも、「まあなんとかなるでしょ」という気持ちで始めると、だいたい9月くらいに静かに心が折れます。

ぼくは大学で働きながら、6ヵ月間の独学で宅建を取得しました。

スクールには通っていない。通信教育もしていない。テキストと過去問と、あとは仕事終わりの疲れた頭だけが武器でした。

「働きながら宅建」のリアルを、きれいごとなしで書きます。

合格体験記にありがちな「毎日コツコツ頑張りました!」みたいな話じゃなくて、「やる気が出ない日はどうしたか」「仕事が忙しい時期はどうしたか」という、もう少し泥臭い話をしようと思っています。

宅建を目指している方、迷っている方、とりあえず読んでいってください。


①なぜ大学職員がいきなり宅建を目指したのか

「大学職員と宅建、関係なくない?」と思った方、正直な反応だと思います。ぼくも最初そう思っていました。でも、少し事情があって。

大学って、キャンパスだけじゃなく意外と多くの土地を持っているんです。研究施設、寮、駐車場、地方の保養所……。以前いた部署では、そういった不動産の管理業務も担当していました。

そこで専門の業者さんと打ち合わせをするんですが、会話の中に知らないワードが普通に出てくる。「借地権」「地目」「容積率」……なんとなく聞いたことはあるけど、正確に説明できない言葉たち。

相手はプロ。こちらは素人。その非対称さが、じわじわと気持ち悪くなってきた。

「せめて話の土台に立てるくらいの知識は持っておきたい」——それが宅建を目指した、一番正直な動機です。「つぶしが利く資格が欲しい」という気持ちも半分あったけど、もう半分はこのリアルな現場の困りごとでした。

資格の勉強って、教科書の中だけで完結すると思いがちだけど、実際の業務で「あ、これ宅建で出てきた話だ」と気づける瞬間があると、学びの解像度がぐっと上がります。動機が具体的なほど、勉強は続く。それも実感しました。

宅建の合格率、知ってますか

毎年だいたい15〜17%前後。つまり5〜6人に1人しか受からない試験です。

「え、そんな難しいの」と思った方、ちょっと待ってください。裏を返せば、しっかり準備した人間が受ければ、ちゃんと受かる試験でもあるということです。合格率が低い理由の一つは、「なんとなく受けた人」「ほぼ勉強しないで受けた人」がかなり含まれているから。本気で準備した母数で見ると、数字の印象はだいぶ変わります。


②6ヵ月間のスケジュール、ぶっちゃけどんな感じだったか

試験は毎年10月。ぼくが勉強を始めたのは4月の頭。つまりちょうど6ヵ月です。

「6ヵ月もあれば余裕でしょ」と思うかもしれないけど、フルタイムで働きながらの6ヵ月は、思った以上にあっという間に過ぎます。

フェーズ①:4〜6月「インプット期」

まずテキストを一冊買って、最初から読んでいく。宅建の試験範囲は「宅建業法」「民法(権利関係)」「法令上の制限」「税・その他」の4分野。

テキストを読みながら思ったのは「民法、むず……」でした。権利関係は法律の話なので、馴染みがないと最初はかなり苦戦します。ぼくも最初の2週間は「これ本当に受かるのか」と不安でした。

ただ、インプット期はあまり完璧を目指さなくていい。「なんとなくこういうことか」という感覚を積み重ねることが大事。最初から全部理解しようとすると、民法の壁で沈没します。

フェーズ②:7〜8月「過去問ひたすら期」

ここが勝負です。そしてここが一番きつかった。

ひたすら過去問を解く。解いて、答え合わせをして、解説を読んで、また解く。この繰り返し。

夏の暑さと、仕事の疲れと、過去問の退屈さが合わさって、「もう今日はいいか……」という悪魔のささやきが毎晩やってきます。これと戦うのが、働きながら勉強する上での最大の敵です。

過去問は10年分を最低3周。最初の1周目は正答率が40〜50%でも焦らなくていい。2周目で60〜70%、3周目で80%以上を目指す感覚でやっていました。

フェーズ③:9〜10月「総仕上げ期」

試験1〜2ヵ月前は、苦手分野の集中補強と模擬試験。

この時期になると「あ、問題のパターンが分かってきた」という感覚が出てくる。宅建は毎年似たような問題が繰り返し出るので、過去問をしっかりやっていると「この問い、見たことある」という場面が増えてくる。そこで初めて「いけるかもしれない」という手応えが来ます。

ぼくの本番スコアを公開します

受験したのは令和2年。結果は43点でした。

この年の合格点は38点。つまり合格ラインより5点上で通過。

「43点ってすごいの?」と思った方のために説明すると、宅建は50問満点の試験です。つまりぼくは7問落としている。7問。けっこう落としてる。

でも合格できた。

これが何を意味するかというと、宅建は「満点を目指す試験」じゃなくて「合格点を超える試験」だということ。全問正解しなくていい。ゴルフで言えばバーディーを狙わなくていい、ボギーを減らせばいい、みたいな感じです(ゴルフやったことないけど)。

7問落としてもOKな試験で、全問正解を目指して燃え尽きる——そういう人が毎年一定数いると思う。ぼくも最初はそうなりかけた。「満点じゃないと不安」という謎の完璧主義。でも途中で「38点超えればいいんだ」と割り切ってから、むしろ気持ちが楽になって勉強が進むようになりました。

「合格点+5点の余裕」を目標にする。それくらいの設計が、働きながら受験するときにはちょうどいい。あまりカツカツを狙いすぎると、本番で緊張したときに足元をすくわれます。


③仕事終わりの勉強、実際どうやっていたか

ここが一番聞きたいところじゃないかと思います。

働きながら勉強する最大の問題は「仕事終わりに疲れていて、勉強する気力がない」ことです。これは精神論では解決しない。仕組みで解決するしかない。

ぼくのルーティン

仕事から帰ってくると、まずご飯を食べる。その後、「やる気があるかどうかに関係なく、机に座る」というルールだけ決めていました。

これだけです。

「30分だけやる」「1時間やる」という目標を立てると、「今日は無理だから明日まとめてやろう」という言い訳が生まれやすい。だから「座る」だけをルールにした。座ってしまえば、なんとなく手は動く。それが10分になっても、その日はOKにした。

やる気がない日は「1分だけ」やる

それでも「今日はマジで無理……」という日は必ずあります。そういう日にぼくがやっていたのが、「1分だけやる」という最低ライン設定。

1分だけ過去問を開く。1問だけ解く。それだけでいい。

「そんなので意味あるの?」と思うかもしれないけど、意味があるかどうかより「ゼロにしない」ことの方が大事。1分やると、だいたいそのまま続く。人間の脳は、始めてしまえば続けやすくなるようにできているらしい。逆に、始めるまでが一番ハードルが高い。

参考書は「開いたまま」置いておく——ハーバード20秒ルール

これ、地味だけどかなり効きました。

ハーバードの研究者が提唱した「20秒ルール」という考え方があります。やりたい行動までの手順を20秒以内に始められる状態にしておくと、実行率が大幅に上がるというもの。逆に、やめたい行動には20秒の手間を加えると減らせる。

勉強に当てはめると——参考書を棚にしまってしまうと、取り出して開いてページを探して……という工程が発生する。疲れている夜にそれをやるのは、思った以上に億劫です。

だからぼくは、参考書を常に開いたまま机に置いておくことにしました。帰ってきたら、すぐそこに昨日の続きが開いている。「とりあえず1問」の摩擦がゼロになる。それだけで「まあ1問くらいやるか」のハードルが劇的に下がります。

スマートフォンがついつい触れてしまうのも、ポケットにあって0秒でアクセスできるから。同じ仕組みを、勉強に使う。それだけのことです。

勉強時間の目安としては、平日1〜1.5時間、休日は3〜4時間くらい。毎日できたわけじゃないけど、週単位でトータルを見て「まあ動けてるな」という感覚を保つようにしていました。

仕事が特に忙しい時期はどうしたか

大学は、4月(新入生・新年度対応)と9〜10月(後期対応)が忙しい。ちょうど勉強の山場と被るんですよね、これが。

忙しい時期の対策としてやっていたのは、「勉強時間を確保しようとするのをやめて、スキマ時間だけで凌ぐ」という割り切り。昼休みに過去問アプリを10問だけ解く。通勤中に暗記カードを眺める。それだけ。

「今月は無理だから来月まとめて取り返す」という発想は、たいてい来月も忙しいので機能しない。それより「少ししかできない日でも、ゼロにしない」の方が長期的には効く、というのが実感です。


④ひたすら過去問、の本当の意味

「宅建は過去問をやれ」という話は、ネットにあふれています。でもぼくが思う「過去問をやる本当の理由」は、もう少し奥にある気がしています。

「知識」じゃなくて「パターン認識」を鍛える

宅建の試験は、テキストを丸暗記すれば受かるわけじゃない。同じ法律の知識でも、問われ方によって「正しいもの」を選ぶのか「誤っているもの」を選ぶのかが変わる。この問題の読み方に慣れることが、過去問をやり込む一番の目的です。

知識が完璧じゃなくても、問われ方のパターンを知っていれば正解を選べる場面はたくさんある。逆に、知識があっても問題の読み方を間違えると落とす。だから過去問は「解けるかどうか」より「なぜそれが正解なのか」を理解するためにやるものです。

間違えた問題が本当の財産

過去問をやっていると、同じ問題で何度も間違えることがあります。最初は「また間違えた……」と落ち込むんですが、繰り返し間違える問題こそが、自分の弱点の地図。そこを潰していくことが、得点アップの最短ルートです。

ぼくは間違えた問題に付箋を貼って、試験2週間前にその付箋だらけの問題集だけを集中的にやり直しました。あの付箋だらけの過去問集を見たとき「ぼく、こんなに苦手があったのか」とちょっと笑いましたが、それが全部潰せたときの安心感は格別でした。


⑤働きながら独学で取るために、正直必要なもの

スクール不要、通信教育不要、でも必要なものはあります。ぼくが思う「これがないと詰む」リストを正直に書きます。

必要なもの①:テキスト1冊+過去問1冊

これだけでいい。本当にこれだけでいい。参考書を何冊も買う必要はない。「3冊買って全部中途半端」より「1冊を完璧に」の方が圧倒的に効く。浮気しない勉強法が、独学の鉄則です。

ちなみにぼくが実際に使ったのはこの2冊。どちらも「みんなが欲しかった!」シリーズで、スマホ学習対応のアプリが付いてくるのが地味にありがたかった。

📘 教科書(インプット用)

みんなが欲しかった!宅建士の教科書 2026年度版

スマホ学習対応・アプリ付き。図解が多くて読みやすく、初学者でも入りやすい。民法のとっつきにくさをやわらげてくれた一冊。

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📗 過去問集(アウトプット用)

みんなが欲しかった!宅建士の12年過去問題集

12年分収録、重要度・難易度が明示されていて取捨選択しやすい。暗記対策用アプリ付きでスキマ時間に活躍。この一冊をやり込んだことが合格の直接の要因だったと思っている。

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どちらも同じシリーズなので教科書と過去問の対応関係がきれいで、行き来しやすいのも選んだ理由の一つです。シリーズをそろえる、というのも独学では意外と大事なポイント。

かなりの努力は必要です。でも、この2冊を信じてやり抜けば、6ヵ月での取得は現実的に可能だとぼくは思っています。

必要なもの②:参考書に紐づいているアプリ

先ほど紹介した「みんなが欲しかった!」シリーズには、スマホ学習対応のアプリが付いてきます。これが地味に優秀で、別途アプリを探す必要がない。

教科書・過去問集と同じシリーズのアプリなので、学習内容との対応がきれいで、本とアプリを行き来しやすいのが最大のメリット。「アプリで間違えた問題を本で復習する」という流れがスムーズにできます。

通勤・昼休み・ちょっとした待ち時間に10問だけでも解ける環境は、6ヵ月間の積み重ねとしてかなり効いてきます。バラバラのアプリを組み合わせるより、最初からセットになっているものを使い倒す方が断然効率的です。

必要なもの③:「今日はこれだけ」と割り切れるメンタル

精神論みたいで申し訳ないですが、これが意外と大事。働きながら勉強していると、「思ったほどできなかった日」が必ずあります。そこで「もうダメだ」とならずに「まあ今日はこんなもん」と翌日に切り替えられるかどうか。

長丁場の勉強は、モチベーションより「折れないこと」が大事。高いモチベーションは3日しか続かない。でも「なんとなく続ける習慣」は6ヵ月持つ。


⑥宅建を取ったら、なぜか仕事全体がうまくいくようになった

これ、正直に書きます。ちょっと不思議な話です。

宅建を取得してから、専門業者との打ち合わせで「あ、その話わかります」と言えるようになった。それは想定内の変化でした。でも想定外だったのが、宅建と全然関係ない仕事でも、なんとなくうまくいくようになったことです。

人事の書類仕事、会議での発言、後輩への対応——どれも宅建の知識とは無関係。でも、何かが変わっていた。

「やり遂げた」という事実が、自分を変える

しばらくしてから気づいたのですが、変わったのは知識じゃなくて自分への信頼感だったと思っています。

フルタイムで働きながら、6ヵ月間やり切った。誰かに強制されたわけでもなく、お金を払ってスクールに通ったわけでもなく、自分で決めて、自分でやり抜いた。

その「できた」という事実は、思った以上に強い。「自分はやろうと思えばできる人間だ」という感覚が、じわじわと仕事の姿勢に染み出してくる。

資格の勉強って、知識を得るためだけにやるものじゃないんだなと、取ってから初めて分かりました。

専門家と「対等に話せる」感覚の変化

不動産の専門業者との打ち合わせで、以前は「なんとなく分かったふりをしながら後でこっそり調べる」状態でした。

それが今は、相手の言葉の意味が分かる。質問もできる。「それって〇〇ということですよね」と確認もできる。

「分かる」というのは、知識以上に態度を変える。背筋が伸びる感覚、というか。「素人だから仕方ない」というあきらめを手放せた感じ。それが他の仕事にも波及していったんだと思っています。

宅建を勧める理由として「就職に有利」「収入アップ」みたいな話はよく見るけど、ぼくが一番おすすめしたい理由は実はここで、「やり遂げた自分」を手に入れられること。それが予想外に、人生全体に効いてくる。


働きながら宅建を取った経験をまとめると、こんな感じです。

  • 📌 6ヵ月の独学で取れる。ただし「なんとなく」では無理
  • 📌 仕事終わりの勉強は「やる気を待たない・机に座るだけ」のルールが効く
  • 📌 過去問はひたすら解くより「なぜ間違えたか」を理解することが大事
  • 📌 忙しい時期はゼロにしない、スキマ時間だけで凌ぐ割り切りが必要
  • 📌 テキスト1冊・過去問1冊・アプリ、これだけで十分戦える
  • 📌 取得後の自信は、宅建と関係ない仕事にまで波及してくる

「働きながらじゃ無理かな」と思っている人に、声を大にして言いたい。

無理じゃないです。ただ、きれいにはできない。疲れた日も、やる気が出ない日も、「今日は10分だけ」の日もある。それでいい。完璧な勉強より、続く勉強の方が強い。

大学で働くという、宅建と一見関係ない仕事をしているぼくでも取れた。それが一番の証拠だと思っています。

試験は毎年10月。今からでも、全然間に合います。

まず一冊、テキストを買うところから始めてみてください。それだけで、もう動き出しています。


※本記事は個人の体験・勉強法をもとにした内容です。合格を保証するものではありません。

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