【複利って何?】「1円が1億円になる」仕組みを小学生でもわかるように説明してみた——投資初心者が絶対に知っておくべきお金の魔法
問題:次の2つ、どちらがお得ですか?
Aさん:今日から30日間、毎日100万円もらえる。合計3,000万円。
Bさん:今日1円もらえる。明日はその倍の2円。明後日は4円。これを30日間続ける。
「え、Aでしょ。3,000万円ももらえるんだから」
そう思いましたよね。ぼくも最初そう思いました。
正解はBです。Bさんが30日後に受け取る金額は、なんと約5億3,000万円です。
これが「複利」の力です。
「複利って聞いたことあるけど、正直よくわからない」という方のために、この記事では小学生でもわかるレベルで、具体的な金額を使いながら複利を解説します。
前回の記事では「株・投資信託・NISAの違い」を説明しました。今回はその続きとして「なぜ長期投資がこんなにすごいのか」の核心——複利の仕組みを徹底解説します。
まず「複利」と「単利」の違いから
単利とは——利益が「元のお金」にしか付かない
まず「単利(たんり)」から説明します。
100万円を年利10%で運用するとします。
単利の場合、毎年もらえる利息は「100万円の10%=10万円」で固定です。
2年後:110万円 + 10万円 = 120万円
3年後:120万円 + 10万円 = 130万円
・・・
10年後:100万円 +(10万円×10年)= 200万円
10年で100万円→200万円。悪くない。でも複利と比べると、これがいかに「もったいない」かがわかります。
複利とは——利益が「利益を含んだお金」にも付く
複利の場合は違います。「もらった利益も元本に加えて、次の利息を計算する」のが複利です。
2年後:110万円 × 1.1 = 121万円(単利より1万円多い)
3年後:121万円 × 1.1 = 133万1,000円
5年後:161万円
10年後:259万円(単利の200万円より59万円多い!)
20年後:673万円
30年後:1,745万円
30年後——単利なら400万円のところ、複利なら1,745万円。4倍以上の差が生まれます。同じ100万円・同じ年利10%なのに、「利益を再投資するかどうか」だけでこれだけ違う。
1円を毎日2倍にすると30日後にいくらになるか
「倍々ゲーム」の本当の怖さ
冒頭のクイズをもう少し詳しく見てみましょう。
1円から始めて毎日2倍にしたら、30日後にいくらになるか。答えを見たとき、ほとんどの人が「え、そんなに?」と声が出ます。
2日目:2円
3日目:4円
4日目:8円
5日目:16円
10日目:512円(まだ地味)
15日目:16,384円(1万円超え)
20日目:524,288円(50万円超え!)
25日目:16,777,216円(1,600万円!)
28日目:134,217,728円(1億3,400万円!!)
30日目:536,870,912円(約5億3,700万円!!!)
1円が30日で5億円を超えます。
ポイントは「最初の20日間は地味すぎる」ことです。15日目でようやく1万6,000円。「全然増えてないじゃん」と思いますよね。でも20日目を超えた瞬間から、爆発的に増え始める。これが複利の本質です。
「最初は地味」これが複利を理解する上で最も大事なこと
多くの人が投資をやめてしまうのは、この「最初の地味な時期」に嫌気がさすからです。
「3年続けたのに、全然増えてない気がする……」
その気持ち、すごくわかります。でも複利は「後半に爆発する」性質があります。じっと待てる人が最終的に大きな恩恵を受ける——これが複利の本質です。
毎月3万円をS&P500に積み立てたら何年後にいくらになるか
「絵空事じゃない、リアルな数字」で考える
「1円を毎日2倍」は現実には起きません。でも「年利7%で長期運用する」は、S&P500の長期平均リターンとして現実的な想定です(もちろん保証はありません)。
毎月3万円をS&P500に積み立て続けたら、どうなるか。計算してみます。
5年後:元本180万円 → 運用総額 約215万円(+35万円)
10年後:元本360万円 → 運用総額 約518万円(+158万円)
20年後:元本720万円 → 運用総額 約1,571万円(+851万円)
30年後:元本1,080万円 → 運用総額 約3,653万円(+2,573万円!)
40年後:元本1,440万円 → 運用総額 約7,898万円(+6,458万円!!)
注目してほしいのは「元本」と「運用益」の比率です。
40年後、自分が実際に出したお金は1,440万円。でも手元に残るのは約7,900万円。増えた約6,400万円は、自分では一切働かずに「お金が稼いでくれた」お金です。
「もし毎月1万円しか出せなくても」の計算
「毎月3万円は無理かも」という方のために、毎月1万円の場合も計算します。
20年後:元本240万円 → 運用総額 約524万円
30年後:元本360万円 → 運用総額 約1,218万円
40年後:元本480万円 → 運用総額 約2,633万円
毎月1万円でも、40年後には2,600万円超えです。「少額でも、長く続けることに意味がある」ということが数字で見えてきます。
複利を「最大限に活かす」ための3つのルール
ルール①:とにかく早く始める
複利で一番大事なのは「時間」です。
25歳で始めた人と35歳で始めた人では、同じ金額・同じ利率でも65歳時点での結果が全然違います。
35歳スタート:30年間 → 運用総額 約3,653万円
45歳スタート:20年間 → 運用総額 約1,571万円
25歳と35歳、たった10年の差で最終結果が2倍以上違います。「今日が人生で一番若い日」——複利においては、これが真実です。
ルール②:利益を使わずに再投資する
複利が効くのは「利益をもらっても使わず、そのまま再投資する」からです。
「増えた分でちょっと贅沢しよう」と途中で引き出すと、複利の連鎖が切れます。「増えた分も丸ごと次の種銭にする」——この習慣が複利の本体です。積み立て投資で「自動再投資」設定にしておくと、意識しなくてもこれが起きます。
ルール③:途中でやめない
複利は「後半に爆発する」性質があります。ということは、後半に近づくほど「やめたときのもったいなさ」が大きくなります。
「株価が下がった!やめよう」と20年目にやめてしまうと、複利の爆発期を丸ごと逃します。株価の上下に一喜一憂しないためにも、「見ない勇気」を持つことが大事です。積み立て設定をしたら、できるだけ触らない。これが最強の戦略です。
アインシュタインも驚いた「世界8番目の不思議」
物理学者のアインシュタインが複利についてこう言ったとされています。
「複利は世界で8番目の不思議だ。理解している人は稼ぎ、理解していない人は払う」
「払う」という部分が重要です。複利は投資だけでなく、借金(ローン・クレジットカードの分割払い)にも同じように働きます。
クレジットカードのリボ払いの金利は年利15〜18%程度のことが多いです。これを複利で計算すると、借金があっという間に膨らみます。「複利を味方にする人」と「複利を敵にしてしまう人」——この違いが、長期的な資産形成を大きく分けます。
まとめ——複利は「時間が経つほど爆発する」お金の魔法
📌 単利は「元本にだけ」利息が付く。複利は「増えた利益にも」利息が付く——この差が時間とともに巨大になる
📌 毎月3万円・年利7%・40年間で、元本1,440万円が約7,900万円になる。増えた約6,400万円は「お金が稼いだお金」
📌 複利は「最初は地味・後半に爆発」。途中でやめると爆発期を逃す
📌 早く始めるほど有利。25歳スタートと35歳スタートでは65歳時点の資産が2倍以上違う
「なんで投資の専門家は口を揃えて”早く始めろ”と言うのか」——その答えが複利です。
難しい株の分析も、完璧なタイミングも、最初は必要ありません。毎月少額でもいいから積み立てを始めて、あとは時間に働いてもらう。それが複利を最大限に活かす方法です。
「植えた木を毎日抜いて確認する人は、木を育てられない」——複利も同じです。種を蒔いたら、じっと待つ。それだけでいいんです。
⚠️ 免責事項:記事内の計算はあくまでシミュレーションです。実際の運用では利回りが変動し、元本割れの可能性があります。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。


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